面白いゲームの作り方:萎えさせない為の操作説明
 アクションRPGがあったとして。
 たとえば、「レバー1回転+Aボタン」で周りの敵をなぎ払う、必須な技があったとします。
 この操作をユーザーに教える方法として良いのはどういうものか?
 一応、自分なりの考えがまとまったら、続きを読んでみてください。


①・隠しコマンド
「気付いた人だけ使えます。」

②・説明書
「レバー1回転+Aボタンで周りの敵をなぎ払います。」

③・アドバタイズ
 ゲーム開始前、アニメ-ションによる説明付き。
「レバー1回転+Aボタンで周りの敵をなぎ払います。」

④・街の老人
「レバー1回転+Aボタンで周りの敵をなぎ払う必殺技じゃ!覚えておくが良い!」

⑤・街の子供
「レバー1回転+Aボタンで周りの敵をなぎ払う必殺技だって?見せて!見せて!」

⑥・戦闘開始前に
敵集団
「わはははは。ワシらの弱点が、レバー1回転+Aボタンとは思うまい!」

⑦・戦闘中に
 主人公を囲んでボコボコにし、プレイヤーが死ぬ寸前に敵集団が。
「ふははレバー1回転+Aボタンのなぎ払いを使えぬお前如きには負けぬわ!」


 一応、数字が大きいほど程、良いとされています。(いました)(俺周辺の話)
ただし、マニュアルには全て記載が前提で。

 順位の理由はわかりますかね?

 ①隠しコマンドはあくまでも隠しであり、知られない可能性のある所にコストかけたり、それが無くてはゲームが成り立たないようなものを隠しちゃイカン事になっています。現在は。
 昔は、隠しコマンドを雑誌等で公開することでゲームの延命を図ったりしてましたが。

 ②説明書③アドバタイズですが、この辺は普通あんまり誰も見てくれません。
 アーケードのアドバタイズは100円入れた後に見るので必要に迫られているとか、集客の意味もある分、コンシュマーのアドバタイズより意味が濃いですが。
 
 ④街の老人が教えてくれる、ってのは良さげですが、まだまだ説明臭さが先に立ちます。

 ⑤街の子供が見せてとせがむのは、街の老人が教えるの変化形でしかないけれど、説明臭さを消す、義務っぽくないなどの利点があります。

 ⑥戦闘開始寸前に説明する、というのは⑤番までの説明と一線を画します。
 なにが違うかというと、その操作説明が、ユーザーにとって必要である事です。今この操作を覚えなければ死ぬ。覚えるには最適のタイミング。これはプレイヤーのモチベーションとして十分です。

 ⑦戦闘中プレイヤーが死ぬ寸前に教えるのどこが良いのかはここまで読んでもらったら解ると思いますが「どうやったらこんな奴らに勝てるんでぇコンチクショウ!」状態から「なるほどこうするのか!」という、プレイヤーの意識の移動が大きいからです。

 意識の移動、感情の落差、「ああ、あるほど!」「やっぱりそうか!」という感想は、ユーザーに強い印象を与えますし、気持ち良いものなワケです。



 というわけで、プレイヤーに情報を与えるにしても、選択の余地はこれだけ有るわけですね。
 安易に手慣れだけで、ゲーム作ってちゃ駄目よという教訓でした。
 上の例も、コンシュマかアーケードかダウンロードかでかなり変わってくるし、表現のリアリティレベルやジャンルでどれが最適解かはかなり違いますから。

 ちなみに、上記の例は、「説明するタイミング」の例です。セリフの例じゃないのでそこよろしく。
 プレイヤーが必要としている時に伝えるのが最も効率的だと言う話です。ゲーム開始直後にチュートリアルをどっさりやらされると大変萎えるみたいな。
(フラグが立たないと使えないとかでなくて、操作を教えるタイミングの話です。説明書明記の上で。)

 別件、セリフの話としては、ゲーム内のリアリティレベルによって、操作方法をキャラクターが喋るのに難色を示す人も居ます。(自分もあんまり好きじゃない)
 個人的には、
「なぎ倒しを使って見せろ!(レバー1回転+Aボタン)」
 ぐらいに、システム的な部分はセリフの外に追い出すほうが好みです。が、コレは別の話なのでいずれ。

 そんなわけで、上記条件下での本当の最善手は
⑧・死ぬ寸前にプレイヤーが自分で気付くよう情報をコントロールしておく。
 だと思っています。自分で気づいた事はもっとも印象深いですから。

 ただこの場合、どのようにしたらプレイヤーが自然に気付くかの方法論になるので省きました。
 この辺を芸にまで昇華させたメタルギアソリッドとかもありますが。あれも賛否両論なわけで。ソレもまた別の機会に。

 あと、個人的に64版ゼルダでその手の説明を一手に引き受けるナビィが大変うっとおしかったので、なるべく操作を止めない方法でやってくれるといいのになと思います。
(発言は全部ポップアップで出て、同じ事は2度といわず、ボタン操作無しで聞き流せて、重要発言履歴が残るとか)
 ただこの辺にこれ以上コストかけて割が合うかどうかは別の話題になるのでそれも別の機会に。



 ちなみに今回のタイトルが大げさとか、文調が違うとかも、話題にあわせての演出を意図してみました。失敗かも。
 手慣れで、文章書いてちゃイカンよなという話でもあります。
 一言で言うと、向上心持ってるか?って話でもあるので、書き方によっては大変嫌らしいので難しい。自分もまだまだ修行中です。

2007/01/22(月) 02:11:18| 固定リンク|ゲーム| トラックバック:0 | このエントリーを含むはてなブックマーク|
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