ヒックとドラゴン 1&2ブルーレイBOX(初回生産限定) [Blu-ray]

画像とリンク先は、1&2。今回感想を書くのは1
。
1の画像はこれ。


共に出来が良いのだが、2は日本で劇場公開されなかったのでいろいろとファンと配給会社でモメていた。
個人的には、海外3Dアニメの中では一番好みなので感想をまとめておこうと思う。
以下ネタバレバリバリで。
1の画像はこれ。
共に出来が良いのだが、2は日本で劇場公開されなかったのでいろいろとファンと配給会社でモメていた。
個人的には、海外3Dアニメの中では一番好みなので感想をまとめておこうと思う。
以下ネタバレバリバリで。
■お話
常にドラゴンの襲撃をうけ、家畜などを奪われるバイキングの村。
ドラゴンとバイキングの戦いはずっと続き日常となっている。
鹵獲したドラゴンとの戦い(ドラゴン訓練)を通じて、ドラゴンと戦える戦士へと成長するのはバイキングの村の若者の通過儀礼となっている。
バイキングの少年ヒックはマッチョぞろいのバイキングの中で筋肉に欠け、ドラゴンとの直接戦闘に難がある。
ひ弱な彼をバイキング仲間は軽視するが、彼は鍛冶屋のメカニカルな技術を駆使し、襲撃したドラゴン、ナイトフューリーを撃退する。
ヒックは森で傷ついたドラゴンを発見するが、とどめを刺すことができない。
尾羽を負傷し飛べなくなったドラゴン、ナイトフューリーを、トゥースレス(トゥース)と名づけ、ヒックとドラゴンは互いを警戒しながらも、信頼を築いていく。
ヒックは村に秘密で、鍛冶屋の技術を用いてドラゴンの尾羽の義羽を作成、ドラゴンにまたがって尾羽を操作することで、トゥースの飛行能力を回復する。
このヒックとドラゴンの関係から、ヒックはドラゴンの習性を覚えドラゴン訓練で優秀な成績を収めてゆく。
しかし2人の蜜月は、ドラゴンの巣の発見と、トゥースの存在が村人にばれることによって、終わりを迎える。
ヒックの父バイキングの族長のストイックは、トゥースを利用し、ドラゴンの巣へ襲撃をかけることを決定する。
■感想
大変上手くできている。ウチには未就学児童が2名いるのだが、食いつきがとてもよかった。
映画のキービジュアルは、ドラゴンに乗ったヒックたちが空をにこやかに飛んでいるものであった。
そういうので引っ掛けておいて、映画の冒頭は、ドラゴンの群れが村を襲撃するところから始まる。
ドラゴンと村の敵対関係は根深い。
冒頭に解決すべき問題が提示される。この村とドラゴンの関係を修復せねばならない。
バイキングとしてはひ弱で、変わり者、しかし柔軟性があるヒックとドラゴンの邂逅により、その可能性が示されるが、それまでの戦いの歴史は長く、バイキングの村はドラゴンとの戦いをやめない。
このあたりの、提示された問題と、示された解決、しかし上手く行かないから回りの状況というのは、ハリウッド映画で特に使いまわされるシチュエーションであり、類例を上げるとキリがないがいくつかあげる。
・アナ雪では、姫姉妹のエルサとアナがエルサの能力から反目する。これの解決の物語だが、中盤で一度決裂する。
・ベイマックスでは、ヒロの仲間と社会性の獲得の物語だが、復讐を優先したヒロは中盤で仲間と決裂する。
・トイストーリーでは、ウッディとバズの確執と和解の話だが、嫉妬から間違った選択をしてしまう。
多分これ、本当に手堅くウケがいいのだろう。
CG映画に限らず、ハリウッド映画は本当にこのフォーマットに沿っている。
インド映画にインド映画のフォーマットがあるように、日本映画に日本映画のフォーマットがあるように、鉄板の構造というのはあるのだ。
なので、このパターンに対する不満や賛辞はするだけ無駄なので省く。
しかしまー、よく出来たアウトラインだと思う。解りやすく、観客の感情を上下するフォーマットだと思う。
この「よくある物語」をぐっと来るものに変えているのは、ドラゴン、ナイトフューリー(トゥース)の演技だろう。
黒ヒョウ、大きい猫、時々犬、ほんの少し爬虫類、といった振る舞いをするこのドラゴンは、人語をしゃべらないのだが、そのモーションが雄弁に語る。
犬猫を飼ったことのある人ならわかる、「あるある」がちりばめられている。
そしてドラゴンの特徴としての「飛行」がある。
だいたい映画において空を飛んだら勝ちだと思う。
たとえば宮崎駿の映画は、とりあえず飛んでいればそれだけでその移動感、疾走感、開放感、が示される。
ヒックとドラゴンにおいて、ラスト付近、その物語が改善したことを示すのに飛行が用いられる。
正直、中盤の飛行はあんまりパっとしないものもあったのだが、終盤のそれは見事なもので、物語を開放して綺麗に終わる力を持っていたと思う。
ドラゴンのしぐさ、飛行と言った言語外の、映像による語りの上手さで、映画として成立している。
楽しい映画だと思う。
■いくつかの気になるところ
翻訳とかアメリカ的価値観がピンとこないとか。そういう感じがちょっとある。
歯が収納式のナイトフューリーのことをヒックは「トゥースレス」と名づけるのだが、日本版では、「トゥース」である。
ドラゴンとの信頼と関係性を築いた、ヒックとドラゴンだが、物語の最後にドラゴンのことを「ペット」と呼ぶ。
など、ちょっと日本語と英語での感覚の違いによる違和感がある。
気になったのは自分だけかとも思ったが、ぐぐると結構でてくる。ペットは英語では日本の哀願動物よりパートナーに近いとか何とか。もとのセリフが韻を踏んでるので仕方がないとか。
まーこれしかし、翻訳としてはペットって単語は使わないほうが良かったのではという気持ちもある。
似たところで、最後に大型ドラゴンを協力して倒すのだが。
え?それでいいの?
という気持ちは払拭できない。
大型ドラゴンは他のドラゴンを恐怖支配している等のエクスキューズがあるのだが。
ドラゴンの生態系がそういうのかもしんないし、なんにしろ人間と今さっきまで敵対していたほかのドラゴンまでが協力して大型ドラゴンを倒すところまで、感情の針の振り幅は広く取れないだろう、という印象だ。
その辺は、提供側もわかっているというか、だからこそ、ヒックに大きな喪失をもたらし、トゥースとの絆を強調してたりする。
こういう引っかかるところがありながら、ヒックとドラゴンは大変よく出来た映画で、面白い。
個人的には、各種ポリゴン映画の中で一番オススメしやすい映画だと思っている。
オススメ。
常にドラゴンの襲撃をうけ、家畜などを奪われるバイキングの村。
ドラゴンとバイキングの戦いはずっと続き日常となっている。
鹵獲したドラゴンとの戦い(ドラゴン訓練)を通じて、ドラゴンと戦える戦士へと成長するのはバイキングの村の若者の通過儀礼となっている。
バイキングの少年ヒックはマッチョぞろいのバイキングの中で筋肉に欠け、ドラゴンとの直接戦闘に難がある。
ひ弱な彼をバイキング仲間は軽視するが、彼は鍛冶屋のメカニカルな技術を駆使し、襲撃したドラゴン、ナイトフューリーを撃退する。
ヒックは森で傷ついたドラゴンを発見するが、とどめを刺すことができない。
尾羽を負傷し飛べなくなったドラゴン、ナイトフューリーを、トゥースレス(トゥース)と名づけ、ヒックとドラゴンは互いを警戒しながらも、信頼を築いていく。
ヒックは村に秘密で、鍛冶屋の技術を用いてドラゴンの尾羽の義羽を作成、ドラゴンにまたがって尾羽を操作することで、トゥースの飛行能力を回復する。
このヒックとドラゴンの関係から、ヒックはドラゴンの習性を覚えドラゴン訓練で優秀な成績を収めてゆく。
しかし2人の蜜月は、ドラゴンの巣の発見と、トゥースの存在が村人にばれることによって、終わりを迎える。
ヒックの父バイキングの族長のストイックは、トゥースを利用し、ドラゴンの巣へ襲撃をかけることを決定する。
■感想
大変上手くできている。ウチには未就学児童が2名いるのだが、食いつきがとてもよかった。
映画のキービジュアルは、ドラゴンに乗ったヒックたちが空をにこやかに飛んでいるものであった。
そういうので引っ掛けておいて、映画の冒頭は、ドラゴンの群れが村を襲撃するところから始まる。
ドラゴンと村の敵対関係は根深い。
冒頭に解決すべき問題が提示される。この村とドラゴンの関係を修復せねばならない。
バイキングとしてはひ弱で、変わり者、しかし柔軟性があるヒックとドラゴンの邂逅により、その可能性が示されるが、それまでの戦いの歴史は長く、バイキングの村はドラゴンとの戦いをやめない。
このあたりの、提示された問題と、示された解決、しかし上手く行かないから回りの状況というのは、ハリウッド映画で特に使いまわされるシチュエーションであり、類例を上げるとキリがないがいくつかあげる。
・アナ雪では、姫姉妹のエルサとアナがエルサの能力から反目する。これの解決の物語だが、中盤で一度決裂する。
・ベイマックスでは、ヒロの仲間と社会性の獲得の物語だが、復讐を優先したヒロは中盤で仲間と決裂する。
・トイストーリーでは、ウッディとバズの確執と和解の話だが、嫉妬から間違った選択をしてしまう。
多分これ、本当に手堅くウケがいいのだろう。
CG映画に限らず、ハリウッド映画は本当にこのフォーマットに沿っている。
インド映画にインド映画のフォーマットがあるように、日本映画に日本映画のフォーマットがあるように、鉄板の構造というのはあるのだ。
なので、このパターンに対する不満や賛辞はするだけ無駄なので省く。
しかしまー、よく出来たアウトラインだと思う。解りやすく、観客の感情を上下するフォーマットだと思う。
この「よくある物語」をぐっと来るものに変えているのは、ドラゴン、ナイトフューリー(トゥース)の演技だろう。
黒ヒョウ、大きい猫、時々犬、ほんの少し爬虫類、といった振る舞いをするこのドラゴンは、人語をしゃべらないのだが、そのモーションが雄弁に語る。
犬猫を飼ったことのある人ならわかる、「あるある」がちりばめられている。
そしてドラゴンの特徴としての「飛行」がある。
だいたい映画において空を飛んだら勝ちだと思う。
たとえば宮崎駿の映画は、とりあえず飛んでいればそれだけでその移動感、疾走感、開放感、が示される。
ヒックとドラゴンにおいて、ラスト付近、その物語が改善したことを示すのに飛行が用いられる。
正直、中盤の飛行はあんまりパっとしないものもあったのだが、終盤のそれは見事なもので、物語を開放して綺麗に終わる力を持っていたと思う。
ドラゴンのしぐさ、飛行と言った言語外の、映像による語りの上手さで、映画として成立している。
楽しい映画だと思う。
■いくつかの気になるところ
翻訳とかアメリカ的価値観がピンとこないとか。そういう感じがちょっとある。
歯が収納式のナイトフューリーのことをヒックは「トゥースレス」と名づけるのだが、日本版では、「トゥース」である。
ドラゴンとの信頼と関係性を築いた、ヒックとドラゴンだが、物語の最後にドラゴンのことを「ペット」と呼ぶ。
など、ちょっと日本語と英語での感覚の違いによる違和感がある。
気になったのは自分だけかとも思ったが、ぐぐると結構でてくる。ペットは英語では日本の哀願動物よりパートナーに近いとか何とか。もとのセリフが韻を踏んでるので仕方がないとか。
まーこれしかし、翻訳としてはペットって単語は使わないほうが良かったのではという気持ちもある。
似たところで、最後に大型ドラゴンを協力して倒すのだが。
え?それでいいの?
という気持ちは払拭できない。
大型ドラゴンは他のドラゴンを恐怖支配している等のエクスキューズがあるのだが。
ドラゴンの生態系がそういうのかもしんないし、なんにしろ人間と今さっきまで敵対していたほかのドラゴンまでが協力して大型ドラゴンを倒すところまで、感情の針の振り幅は広く取れないだろう、という印象だ。
その辺は、提供側もわかっているというか、だからこそ、ヒックに大きな喪失をもたらし、トゥースとの絆を強調してたりする。
こういう引っかかるところがありながら、ヒックとドラゴンは大変よく出来た映画で、面白い。
個人的には、各種ポリゴン映画の中で一番オススメしやすい映画だと思っている。
オススメ。
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