■機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 

とりあえず、PSplusのビデオでレンタル視聴した。
色々思うところがあるのだが、全くもって個人の意見で普遍性はない。
それでも書き残しておけるのが、チラシの裏とblogのいいところなので書いておく。
以下、ネタバレバリバリで。
色々思うところがあるのだが、全くもって個人の意見で普遍性はない。
それでも書き残しておけるのが、チラシの裏とblogのいいところなので書いておく。
以下、ネタバレバリバリで。
■あらすじ
人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させて半世紀。
後の人類全体を巻き込んだ1年戦争の発端となる、 地球から最も遠いスペースコロニー群、サイド3での戦争前のバタバタを描く。
■感想
安彦良和の絵で1stガンダムリメイク。
この次点で商品としてはOKであろう。あとはどうしても細かいアラ探しになってしまう。
ファンゆえということで多めに見るか、ブラウザ閉じるをオススメする。
・お話はキャスバル編なので、あまり盛り上がらない。
1年戦争開戦前、サイド3内でのサビ家、ダイクン家、ラル家のパワーゲームに翻弄される、シャアとセイラの話。
言ってしまえば、蛇足であり、蛇足のツジツマ合わせの癖に、ツジツマがあんまりあってないのでストレスがたまる。
ザックリあらすじを纏めようとすると、エピソードはあるのだが話として大きく動いておらず、無くて良い話になってしまっている。
1stガンダム視点から見ると蛇足。
蛇足でなくするには、ワキエピソードではなく、物語の核心に関わる話、この話を抜いては成立しない、という話が含まれていないと物語としての強度が足りないと感じる。
・バンダイ、サンライズとしてはコレで良かったのか?
時代が経ち過ぎて、懐かしさの感情抜きでは商品力を持たぬ映像ソフトになってしまった1stガンダムを、今の技術でリメイクし今後も磐石なガンダム商売をしよう。ってのが思惑だったのだと思う。
しかし、出来上がったフィルムは、1stガンダムの「あのキャラが昔はこんな感じでしたよ」という2次創作ファンムービーかよ、といった内容に見えてしまうものであった。
しかも絵の質が高いだけにつらいものがある。
・ツジツマ合わせ
1stガンダムにおける、初のMS同士の戦闘というのは、アムロvsジーンのサイド7での戦いであった。
ゆえに、ガンダムを目にするジオン兵は初めて見る連邦のモビルスーツを恐れたわけだ。(こういうのは怪獣映画で怪獣初登場時に驚く人の重要性と同じ。)
1年戦争におけるザクは、太平洋戦争の航空機に似る。対艦戦闘において小回りの効く兵力として圧倒的な優位を持つ。宇宙での戦いで圧倒的強者であった。
ガンダムはそのザクに対し、MSvsMSで勝利することを前提とした戦闘機(ファイター)だから、ザクをボコボコとやっつけていく。その性能にジオン軍が目を見張り、各種部隊を送り込むのも話のスジが通っている。(もちろんご都合主義+後付だが)
このあたりの、ご都合主義だが理屈がついている部分を、リアルに変更しようとして、もともとの設定や後付で数十年かけられた設定とコンフリクトを起こしていて、ストレスがたまる。
ムンゾコロニーの暴動鎮圧にガンタンクというのは、そうでもしないと絵としてさびしいから必要なのはわかるが、コロニー内で対人でアレはオーバーキル過ぎやせぬか。
しかもリアルにしようとしたと思われる改変のワリには、ドラマにはリアリティが少ない気がする。
ハモンの大活躍や、ガンタンク大暴れなど、これ映像から受け取れる情報だけでは納得感がとても足りない。
・物語のリアリティレベル
本気なのかギャグなのか。リアルにやりたいのかカリカチュアしたものなのか。
このあたりがとても難儀で。わりとデフォルメの強い演技や内容が続く。
富野による1stガンダムはデフォルメしながらも抑えるところは押さえるやり方だったのだが、安彦によるオリジンはわりと直球だ。
そもそも1stガンダムを表で影で支えた安彦がやるのだから、誰も文句は言えないのだけども。
登場人物がいちいち面倒くせぇ感じなのはとてもそれっぽいので。後はもう少し腹芸方向に押さえた人達が多く、舞台の動きも違和感が少なければよいのだが。(ザビ家の面々もそれぞれ若いので仕方がない部分はあるのだけど)
・モビルスーツの戦闘演出
冒頭の、ルウム戦役ぐらいしかMS戦闘らしいMS戦闘はないのだが。
位置関係を示すカメラワークが、3Dツールのような挙動で、最近はそういう演出も多いのだが、1stガンダムの時代を表現するのにはどうかという印象を受けた。(好みの問題甚だしい)
それ以後はあまり無茶なものはないが、MSの挙動が激しすぎてこれではMSではなくてSPTに近く感じた。
黒い三連星の巨大アックスなど、漫画的過ぎて好きではないのだが、仕方がないのだろうという。
■全体として
これ、半年1本ペースで何年がかりで作るつもりかしらないが。
重要な声優が死んでしまったりしないか心配だ。
視聴者としての俺が死んじゃってないかも心配だ。
監督も元気なままか心配だ。
これが例えばハリウッド映画なら、要求(1stガンダムを現在の技術でよみがえらせて新しいスタンダードにする)みたいなのをうまく遂行するプロジェクトチームが組まれるのだろう。
バットマンやスパイダーマン、トランスフォーマーが上手く甦ったのは記憶に新しい。
しかし日本だと、無茶な予算もないし、誰も責任取れないから、この人がやるなら文句が出まいって人身御供を立てる形にしかならなかったんだろう。
うまい着地を期待する。
ガンダムの呪いは深く濃く、絡み絡んでこんがらがって。もう解けやしないのだから。
人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させて半世紀。
後の人類全体を巻き込んだ1年戦争の発端となる、 地球から最も遠いスペースコロニー群、サイド3での戦争前のバタバタを描く。
■感想
安彦良和の絵で1stガンダムリメイク。
この次点で商品としてはOKであろう。あとはどうしても細かいアラ探しになってしまう。
ファンゆえということで多めに見るか、ブラウザ閉じるをオススメする。
・お話はキャスバル編なので、あまり盛り上がらない。
1年戦争開戦前、サイド3内でのサビ家、ダイクン家、ラル家のパワーゲームに翻弄される、シャアとセイラの話。
言ってしまえば、蛇足であり、蛇足のツジツマ合わせの癖に、ツジツマがあんまりあってないのでストレスがたまる。
ザックリあらすじを纏めようとすると、エピソードはあるのだが話として大きく動いておらず、無くて良い話になってしまっている。
1stガンダム視点から見ると蛇足。
蛇足でなくするには、ワキエピソードではなく、物語の核心に関わる話、この話を抜いては成立しない、という話が含まれていないと物語としての強度が足りないと感じる。
・バンダイ、サンライズとしてはコレで良かったのか?
時代が経ち過ぎて、懐かしさの感情抜きでは商品力を持たぬ映像ソフトになってしまった1stガンダムを、今の技術でリメイクし今後も磐石なガンダム商売をしよう。ってのが思惑だったのだと思う。
しかし、出来上がったフィルムは、1stガンダムの「あのキャラが昔はこんな感じでしたよ」という2次創作ファンムービーかよ、といった内容に見えてしまうものであった。
しかも絵の質が高いだけにつらいものがある。
・ツジツマ合わせ
1stガンダムにおける、初のMS同士の戦闘というのは、アムロvsジーンのサイド7での戦いであった。
ゆえに、ガンダムを目にするジオン兵は初めて見る連邦のモビルスーツを恐れたわけだ。(こういうのは怪獣映画で怪獣初登場時に驚く人の重要性と同じ。)
1年戦争におけるザクは、太平洋戦争の航空機に似る。対艦戦闘において小回りの効く兵力として圧倒的な優位を持つ。宇宙での戦いで圧倒的強者であった。
ガンダムはそのザクに対し、MSvsMSで勝利することを前提とした戦闘機(ファイター)だから、ザクをボコボコとやっつけていく。その性能にジオン軍が目を見張り、各種部隊を送り込むのも話のスジが通っている。(もちろんご都合主義+後付だが)
このあたりの、ご都合主義だが理屈がついている部分を、リアルに変更しようとして、もともとの設定や後付で数十年かけられた設定とコンフリクトを起こしていて、ストレスがたまる。
ムンゾコロニーの暴動鎮圧にガンタンクというのは、そうでもしないと絵としてさびしいから必要なのはわかるが、コロニー内で対人でアレはオーバーキル過ぎやせぬか。
しかもリアルにしようとしたと思われる改変のワリには、ドラマにはリアリティが少ない気がする。
ハモンの大活躍や、ガンタンク大暴れなど、これ映像から受け取れる情報だけでは納得感がとても足りない。
・物語のリアリティレベル
本気なのかギャグなのか。リアルにやりたいのかカリカチュアしたものなのか。
このあたりがとても難儀で。わりとデフォルメの強い演技や内容が続く。
富野による1stガンダムはデフォルメしながらも抑えるところは押さえるやり方だったのだが、安彦によるオリジンはわりと直球だ。
そもそも1stガンダムを表で影で支えた安彦がやるのだから、誰も文句は言えないのだけども。
登場人物がいちいち面倒くせぇ感じなのはとてもそれっぽいので。後はもう少し腹芸方向に押さえた人達が多く、舞台の動きも違和感が少なければよいのだが。(ザビ家の面々もそれぞれ若いので仕方がない部分はあるのだけど)
・モビルスーツの戦闘演出
冒頭の、ルウム戦役ぐらいしかMS戦闘らしいMS戦闘はないのだが。
位置関係を示すカメラワークが、3Dツールのような挙動で、最近はそういう演出も多いのだが、1stガンダムの時代を表現するのにはどうかという印象を受けた。(好みの問題甚だしい)
それ以後はあまり無茶なものはないが、MSの挙動が激しすぎてこれではMSではなくてSPTに近く感じた。
黒い三連星の巨大アックスなど、漫画的過ぎて好きではないのだが、仕方がないのだろうという。
■全体として
これ、半年1本ペースで何年がかりで作るつもりかしらないが。
重要な声優が死んでしまったりしないか心配だ。
視聴者としての俺が死んじゃってないかも心配だ。
監督も元気なままか心配だ。
これが例えばハリウッド映画なら、要求(1stガンダムを現在の技術でよみがえらせて新しいスタンダードにする)みたいなのをうまく遂行するプロジェクトチームが組まれるのだろう。
バットマンやスパイダーマン、トランスフォーマーが上手く甦ったのは記憶に新しい。
しかし日本だと、無茶な予算もないし、誰も責任取れないから、この人がやるなら文句が出まいって人身御供を立てる形にしかならなかったんだろう。
うまい着地を期待する。
ガンダムの呪いは深く濃く、絡み絡んでこんがらがって。もう解けやしないのだから。
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