■あらすじ
海沿いの街。
さかなの子ポニョは、5歳の男児、宗介と出会い、血を受け、人間になりたいと願う。
■感想
いや、さすがに普段はもうちょっとあらすじをちゃんと書くのだけど。
どうにもこれ、物語の芯と映画から得れる情報の間に差が大きくて、見たものだけでは話が解らない。
この場合、映画から得れる情報だけであらすじを書くべきか、憶測を入れるべきか、で悩む。
ネット上にも色々と裏読みが流れたが。
津波後、明らかに死後の世界を思わせる描写が続き、終盤現実である描写が挟まる。
これはあの世とこの世の間を行き来して現実に着地したと見ることができるが、後に、現実ではないかも、と思わせる描写がかぶさる。
とりあえず死の暗示や暗喩が大量にあって、わりと常軌を逸している。
ポニョの母の登場シーンなどは多分、オフィーリア的なイメージなんだろうけど。水死体だよね。
子供向けとしてコレを作るのか。流石に天才はなにかが壊れている。
なのでドコからドコまでを現実と見るかは、見た人の解釈によると思うのだが。(正解があるわけではない。正解があっても、全員がたどり着くような演出をしていない)
だが、いろいろと仕掛けがあるようなので、どうしても気になってしまう。
解けない問題を出されているという意味では、エヴァンゲリオン等と同じく衒学的な味を感じる。
こういった、物語の芯は作ってあるが映画では全部説明しない、という描き方はハウルの動く城あたりから顕著で、普通に物語に起承転結つけるのに飽きたんじゃないかと思ってたのだが。
(映画監督は、前作を超えるべく、こねくり回してわけのわからないトコに着地する人って多い)
ハウルは原作があることや、一応断片をつなげればなんとなく話がわかる感じだったのだが、ポニョはこれ、断片から物語を受け取るのもう無理だろう、という感じだ。
単純に見れば、神話や御伽噺に良くある、「異種婚姻譚」であり、出会いによって破滅が発生し、誓いによって新たな世界への誕生がなされる。みたいな話に見える。
映像的には、とても気合が入っていて、動きだけで人を魅了する力に溢れている。
ちょっと間違えばキチガイ映画なのだが、観客の気を引く手練手管に長けていて、最初から最後まで面白い。
(余談だが、ディズニーのダンボとかあれもーLSDにしか見えず、幻覚映像まみれなのだが、お話で興味を引かないので子供の食いつきが悪い。宮崎駿ハンパネェなと思う。)
この後の作品、「風立ちぬ」は、お話は単純だがしかし劇中に書かれている人の心情を説明しない事で、いろいろな捕らえ方ができるようなつくりになっていた。
宮崎駿に限らず、ある種の作家は本数を重ねることによって、どうしても、こういう一筋縄では行かない方向に進むのではないかと思う。
これは、ディズニーアニメ(最近話題のアナ雪とかベイマックスとか)の方法論だと着地しにくい地点なので。
こんな私小説的な映画の作り方が許されるのは日本のアニメ映画のいい所だと思う。
眠いのでここで切り上げるが、後でてにをは直すかも。
というか、熱あるじゃん。風邪ひいてんじゃん。カンベンしろよ;;
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